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ジャカルタ、赴くままに歩き回った最初の一日

2026.8.5 – 2026.8.5

新しい街を知る最も良い方法は、自分の足で歩くことだ。ガイドブックや華やかなブログ記事の代わりに、Googleマップが案内するままに当てもなく歩き始めた。ジャカルタに到着した初日の午前9時。気温は摂氏28度、湿気を含んだ空気が肌にまとわりついたが、見知らぬ風景への期待に胸が高鳴った。きらびやかな高層ビル群の裏へと続く路地に入り、最初に出会ったのは静かに佇む共同墓地だった。生い茂るプルメリアの木々の間、ひっそりと並ぶ墓石の間を1匹の猫が静かに歩いていた。頭上には目眩がするほど高い現代的なビルが屏風のようにそびえ立ち、足元には歳月の痕跡を留めた平和な墓地が対比を成していた。生と死、そして都市の急激な発展が、同じ場所で静かに息づいていた。

高層ビルの影の下に静かに佇む共同墓地と、その間を気ままに歩き回る猫。

Googleマップの道案内は、観光客のための整備された道ではなかった。もしかしたら、ジャカルタの人々のありのままの生活の軌跡を見せようという、地図アプリの粋な計らいだったのかもしれない。墓地を抜けるとすぐに路地は急激に狭くなり、人々のリアルな日常が広がった。黄色いアノラックを着た配達バイクが爆音を響かせて通り過ぎ、その傍らを、おやつや生活雑貨を載せた台車を引く商人が静かに通り過ぎていった。さらに一歩進むと、近隣住民が集めたゴミの収集場と回収用の台車が道端に並んでいた。排気ガスの煙と狭い路地特有の湿ったにおいが鼻をついたが、通りに掲げられた赤と白のインドネシア国旗と、人々の明るい笑顔が暮らしの活気を与えていた。

狭い路地を忙しく行き交う屋台の台車と配達バイク。
通りの角に集められたゴミ収集台車と、ずらりと掲げられたインドネシアの国旗。

荒れた川と道路を抜けて出会った、思いがけないオアシス

40分近く炎天下と排気ガスの中を黙々と歩き続けると、思いがけない緩衝地帯が現れた。ジャカルタ南部の路地の荒々しい風景を抜けて到着した都会の公園は、完璧な安全地帯だった。赤いインターロッキングのパターンの上に伸びる緑の枝葉が作る深い木陰、そしてのんびりと庭を手入れしたり休憩したりする人々のおかげで、張り詰めていた緊張がようやくほぐれた。しばし足を止め、木陰の下で涼みながら、ジャカルタという都市が隠し持っていた意外な静けさを感じてみた。

騒音と排気ガスから一時避難できた、都会の公園の緑豊かな小道。

しかし、平和は長くは続かなかった。公園を抜けるとすぐに、大きな川と車道が現れた。濁った水の川には浮遊ゴミを遮断するフェンスが設置されており、対岸の車道では車やバイクが絶え間なく猛スピードで走り抜けていた。歩道が狭くなったり途切れたりする区間では、「道なき道」を本能的に見極めて進まなければならなかった。川の曲がり角では、白い排水の泡が氷河のように巨大な層をなして浮かんでいる奇妙な光景にさえ出くわした。空を覆う高層ビルと、川の泡、バイクの波が織りなす不協和音は、不思議なことに妙な躍動感を醸し出していた。

車道と川が並走する道路沿い、ビル群を目指して歩き続けた道。
川の水面にちぎれ雲のように泡を作って浮かぶ排水の残留物。

1時間以上も暑さと排気ガスにさらされて歩いたため、限界が近づいていた。助けを求めるように、近くの大型ショッピングモールに飛び込んだ。扉が開いた瞬間に体を包み込む強力なエアコンの風は、まさに天国だった。汗と街頭の埃で汚れた姿は、小綺麗な現地の買い物客の間で少し恥ずかしかったが、今は体力を回復することが先決だった。モール内のインドネシア料理店に入り、韓国のテールスープやカルビスープによく似た温かいスープ料理(ソト)を注文した。あっさりしたスープをそのまま味わった後、添えられたライムを絞ると、さわやかな旨味が引き立った。ご飯の横にあるサクサクした「ウンピン」というクラッカーをどう食べればいいか分からず、ChatGPTに尋ねると「スープに軽く浸して食べるか、サンバルソースをつけて食べて」と教えてくれた。言われた通りにスープに浸して食べると、サクサクしながらもほろ苦い香ばしさがスープと絶妙にマッチした。

韓国のカルビスープに似ており、お腹を温めてくれたインドネシアのスープ料理とウンピン。

都市の象徴モナスと、冷たいコーヒーの一杯という救い

昼食を食べて元気を取り戻し、再びGoogleマップを開いた。先ほどモールに入る時に通り過ぎた銅像が、実は歴史的にかなり重要な「歓迎の記念碑(Selamat Datang Monument)」であることを知った。来た道を少し戻り、両手を高々と掲げて街を歓迎する銅像の写真を撮った。1962年のアジア競技大会に合わせて、ジャカルタを訪れる世界中のゲストを歓迎するために建てられたこの躍動的な銅像は、近代的なビル群の中心で都市のエナジーを放っていた。

ビル群の間で両手を広げて訪問客を迎える歓迎の記念碑。

続いて足を運んだのは、インドネシア独立の象徴であるモナス(国立記念碑)だった。遠くから見ても壮大だったが、近づくにつれて高さ132mに達する大理石の塔の威容に圧倒された。しかし、広場に入ったからといってすぐに塔の内部に入れるわけではなかった。塔の周囲全体が鉄製のフェンスでしっかりと囲まれていたからだ。広場をしばらくさまよった末に北端に行くと、地下へと続く小さなブースが見つかった。地上からは直接入れず、地下通路を通って初めてチケットを購入し、塔の内部に入るというユニークな構造になっていた。

青空の下にそびえ立つ、インドネシア独立の象徴であるモナス。

地下の切符売り場に着いた時には、すでに炎天下を長時間歩いていたため、喉がカラカラに乾いていた。幸いにも地下広場の一角に飲料の自動販売機が置かれており、嬉しさのあまり駆け寄った。しかし、自販機の上部には「UANG PAS(お釣りは出ません、ちょうどのお札のみ)」という文字がはっきりと書かれていた。小銭がなければ飲み物を買えない自販機だった。財布の中の紙幣は高額紙幣ばかりで、結局、絵に描いた餅のように飲み物を見つめるしかなかった。こうして、その後ほぼ2時間近く、水一滴も飲めない試練が始まった。

モナスの地下通路に入るため、列を作ってチケットを待つ訪問客たち。
モナス広場の北口周辺にある、可愛らしい案内板とシャトル車両。
ちょうどの小銭がないと買うことができなかった地下通路の自動販売機。

普段、海外旅行をするときは、できるだけ現地のローカルカフェを利用するようにしている。しかし、極度に疲れて喉が渇き、失敗への不安が押し寄せてくるときは、慣れ親しんだ場所に頼りたくなる。2時間何も飲めずにさまよった末に見つけたスターバックスは、砂漠のオアシスそのものだった。扉を開けて入り、アイスドリンクを注文して深く一口飲み込んだ瞬間、ようやく生き返ったという安堵感が全身に広がった。冷たいコーヒーを注入することで、疲れた心と体を落ち着かせることができた。

激しい喉の渇きと疲労を瞬時に癒してくれた冷たいアイスドリンク。

イスティクラル・モスクの静寂と人々の温もり

コーヒーで元気を取り戻した後、ジャカルタを代表する宗教建築であるイスティクラル・モスクへと向かった。歩いて到着したため、巨大なモスクの外壁に沿ってほぼ1周歩き、ようやくインフォメーションの入り口を見つけることができた。インフォメーションセンターに入ると、スタッフが温かく迎えてくれ、露出したハーフパンツを隠すための紫色のロングガウンを無料で貸してくれた。さらに、モスクの内部を丁寧に案内してくれる専任のガイドまで同行してくれ、宗教的な厳かさの中に温かいもてなしの心を感じることができた。

モスクに入場するため、ハーフパンツの上に無料で借りて着用した紫色のロングガウン。
カーペットの床に心地よさそうに横たわり、昼寝を楽しむ現地の人々の日常的な姿。
モスクの回廊の柱の間から、向かい側にあるジャカルタ大聖堂の双塔が穏やかに見える。

東南アジア最大規模を誇るイスティクラル・モスクの内部礼拝堂は、文字通り口があんぐりと開くほど壮大だった。巨大な中央ドームを支える12本のステンレス製の柱は預言者ムハンマドの誕生日を意味し、ドームの直径45mはインドネシアが独立を宣言した1945年を象徴しているとガイドが説明してくれた。建物の構造一つひとつに、歴史と宗教的な意味が精巧に刻まれていた。広々とした赤いカーペットの床のいたるところで、多くの人々が横になっていた。ガイドに「あの方々は今、伏せてお祈りをしているのですか?」と尋ねると、ガイドは微笑んで答えた。「いいえ、涼しいモスクの床に寝転んで、のんびりと昼寝をしているんですよ」その言葉に、心がすっと和んだ。宗教的な厳粛さだけに縛られず、住民の日常的な憩いの場となっている様子がとても温かかった。2階の回廊に上がると、壁越しに、道路を挟んだ向かい側に位置するジャカルタ大聖堂の2本の尖塔が目の前に飛び込んできた。イスラムモスクとカトリック聖堂が大通りを挟んで向かい合い、共存している風景は、宗教的な融和の象徴のように感じられた。

12本の巨大な柱と壮大な青いドームが目を引くイスティクラル・モスクの内部礼拝堂。

風を切って帰る道

モスクのツアーを終えて外に出ると、午後5時を過ぎていた。一日中1万歩以上ジャカルタの都心を歩き回ったため、足が重くなっていた。ホテルに戻るときは、現地で最も一般的な移動手段であるグラブバイク(Grab Bike)を呼んだ。緑色のベストを着たドライバーのバイクの後部座席に乗り、ヘルメットをかぶり直した。涼しい夜風が顔に当たり、日中にかいた汗をさっぱりと洗い流してくれた。道路を埋め尽くす何百台ものバイクの列に混ざって走る気分は、歩いているときとはまた違った躍動感を与えてくれた。 午後6時頃に再びホテルに到着し、ジャカルタでの最初の一日の旅を終えた。路地のゴミ捨て場からモナスの壮大さ、モスクの平和な雰囲気まで、息つく暇もなく歩き回った疲れる一日だったが、心の奥は温かい思い出で満たされた。私が感じたジャカルタの第一印象は「人々の純朴さと笑顔」だった。道で出会った数多くのグラブのドライバーや露天商の中で、強引に客引きをしたり不快な態度をとったりする人は一人もいなかった。見知らぬ異邦人に対して気兼ねなく目を合わせ、明るく微笑んでくれた純朴な人々。荒々しく騒がしいけれど、その内側には一貫して旅人を心地よく包み込んでくれる不思議な温かさが流れる街、それこそが、私が自らの足で歩いて知ったジャカルタの真の素顔だった。

帰宅ラッシュのバイクの波の中、グラブバイクに乗ってホテルへと戻る道。
旅の経路マップ
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